正月の東京は、正直、少し覚悟がいる。
電車は混み、駅を出た瞬間から人の流れに巻き込まれ、
「お参りをする」というより「並ぶイベント」に参加している感覚になることも多い。
トラベルライターとして、
これまで国内外で数えきれないほどの神社仏閣を訪れてきたけれど、
ここ数年、初詣に対する気持ちは少しずつ変わってきた。
有名であることより、
ご利益がどうこうより、
ちゃんと自分の一年と向き合えるかどうか。
そんなふうに考えるようになってから、
僕はあえて「並ばない初詣」を探すようになった。
東京にも、ある。
三が日でも、驚くほど静かで、
足音と風の音しか聞こえない神社が。
この街に長く暮らし、
取材と称して正月の朝を歩き回る中で気づいたのは、
初詣が混むのは“東京だから”ではなく、“場所を選んでいないから”だということだった。
この記事では、実際に三が日に足を運び、
本当に並ばずに手を合わせることができた
「地元の人だけが知っている静かな神社」を、体験ベースで紹介していく。
遠くへ行かなくてもいい。
有名じゃなくてもいい。
ただ、気持ちよく一年を始めたい人へ。
これは、そんな人のための初詣の話だ。
なぜ今、「並ばない初詣」を選ぶ人が増えているのか
数年前まで、「初詣は混んでいて当たり前」だった。
それを疑う人は、ほとんどいなかったと思う。
でもここ数年、正月の過ごし方は確実に変わった。
取材で各地を回る中でも、
「できれば人が少ないところで静かに手を合わせたい」
そう話す人が、明らかに増えている。

理由は、単なる混雑回避じゃない。
僕自身、長く旅を仕事にしてきて感じるのは、
人は今、“イベントとしての初詣”より、“時間としての初詣”を求めているということだ。
行列に並び、流されるように参拝するよりも、
ほんの数分でいいから、自分の一年と向き合う。
特に東京では、日常のスピードが速い分、
正月くらいは、立ち止まる理由が欲しい。
実際、都内の有名神社と、
住宅街にある小さな神社を同じ日に回ってみると、
参拝後の疲労感がまったく違う。
並ばない初詣を選んだ日は、
なぜかそのあと一日が、静かに、長く感じられた。
初詣は、
「どこで願うか」以上に、
「どんな気持ちで始めるか」が大切なのかもしれない。
だから今、
あえて人混みを避け、
静かな場所を選ぶ人が増えている。
三が日でも静かだった、東京都内の本当の穴場神社とは
「三が日でも静かだった」——
この一文は、正直に言えば、少し疑われても仕方がないと思っている。
東京の正月と聞けば、
長い行列、立ち止まれない参道、
そして“流れるように終わる参拝”を思い浮かべる人が大半だろう。
でも、取材と個人的な初詣を兼ねて、
毎年のように都内を歩き回る中で、
僕は何度も、そのイメージが裏切られる瞬間に出会ってきた。
それは、偶然でも、運でもない。
三が日でも静かだった神社には、
はっきりとした共通点がある。
観光地として“選ばれていない”こと。
屋台やイベントが前提になっていないこと。
そして何より、
地元の人が、自分の生活の延長として参拝していること。
こうした神社では、
人が一気に押し寄せることがない。
参拝者は、自然に分かれ、自然に帰っていく。
だから三が日でも、
行列ができにくく、
自分の順番を、落ち着いて待つことができる。
ここから先では、
実際に三が日に足を運び、
「本当に並ばずに手を合わせられた」
東京都内の神社を、体験ベースで紹介していく。
有名じゃない。
でも、正月の空気が、ちゃんと残っていた場所たちだ。
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【体験談】並ばずに参拝できた、東京の静かな神社
ここから先は、推測や噂の話ではない。
実際に三が日の東京を歩き、
自分の足で確かめた体験談だ。
元旦から三日間、
有名神社をあえて外し、
住宅街や地元の道を選んで歩いた。
電車を降りる駅も、時間帯も、すべて変えた。
それでも共通していたのは、
「並ばずに手を合わせられた」という事実だった。
境内に入ってから、
人の流れに押されることも、
背中を急かされることもない。
深呼吸をして、
自分のタイミングで頭を下げる。
旅を仕事にしてきたからこそ、
場所の良し悪しは「混雑」だけでは決まらないと知っている。
大切なのは、
その場所が、正月にどう使われているか。
誰のために、どう守られてきた場所なのか。
ここで紹介するのは、
ガイドブックでは脇役か、
名前すら載らないような神社かもしれない。
でも、正月の朝、
そこには確かに「祈るための静けさ」が残っていた。
この先では、
実際に並ばず参拝できた神社を、
そのとき感じた空気ごと、順に紹介していく。
世田谷区で並ばない初詣|地元の人だけが知る静かな神社
元旦の朝、電車には乗らなかった。
人の流れに身を委ねる正月よりも、
今年は「歩いて行ける初詣」を選びたかった。
世田谷の住宅街は、まだ眠っている。
シャッターの閉まった商店街を抜け、
白い息を吐きながら、いつもの道を少しだけ外れる。
境内に足を踏み入れた瞬間、
「あ、今年はこれでいいな」と思えた。
並ばない。
急かされない。
三が日なのに、静かに手を合わせることができた。
世田谷区で「並ばない初詣」が叶う理由
世田谷区は、東京23区の中でも少し特殊だ。
観光地として名の知れた神社が少なく、
多くの神社が住宅街の中に溶け込むように存在している。
参拝者のほとんどが地元の人。
遠方から押し寄せる人の波がない。
だから三が日でも、
人が「分散」する。
結果として、並ばない初詣が成立する。
三が日でも静かだった、世田谷区の穴場神社
人はいるのに、並ばない不思議
最寄り駅から歩いて数分。
決して不便な立地ではない。
それでも境内に入ると、
人の気配が自然にほどけていく。
理由は単純で、境内が広く、参拝動線が分散しているからだ。
元旦の朝8時頃。
数人の参拝者はいたが、行列はなかった。
拍手の音が、冬の空気にすっと吸い込まれていく。
「並ばないだけで、祈りはこんなに深くなるのか」
そう思わされた場所だった。
華やかさと静けさの、ちょうど真ん中
桜神宮は、世田谷の中では比較的知られた存在だ。
それでも、明治神宮のような混雑とは無縁。
三が日の午前中でも、
少し待てばすぐに参拝できる。
写真で見るより、実際に立って感じる空気がいい。
賑やかすぎず、寂しすぎない。
「正月らしさ」と「静けさ」を、
両方欲しい人には、ちょうどいい神社だ。
本当の意味での“地元の初詣”
ここは、観光客がほとんど来ない。
完全に、地元の神社だ。
参拝者は、近所の人がぽつぽつと訪れるだけ。
三が日でも、境内は驚くほど静かだった。
屋台もない。
派手な装飾もない。
でも、その分だけ、
初詣の原風景が残っている。
「お願いする」というより、
「一年を始める挨拶をする」
そんな感覚がしっくりくる場所だった。
時間帯で変わる|世田谷区初詣の狙い目
実際に歩いて感じたのは、時間帯の重要性だ。
- 元旦:朝7時〜9時(最も静か)
- 2日・3日:午前中が狙い目
- 子連れの場合:10時前後が安心
世田谷区は、
「早く行けば、その分だけ静かになる」
シンプルな法則が通用する。
こんな人に、世田谷区の初詣は向いている
- 遠くまで出かけたくない人
- 子どもと落ち着いて参拝したい人
- 一人で一年を始めたい人
- 人混みが本当に苦手な人
世田谷の初詣は、派手さはない。
でも、その分だけ、心が疲れない。
世田谷区の初詣でよくある質問
ここまで読んで、
「行ってみたい気持ちはあるけれど、実際どうなんだろう」
そんな小さな疑問が浮かんできた人もいると思う。
世田谷区で何度も初詣をしてきた中で、
特によく聞かれた質問を、体験ベースでまとめた。
Q. 世田谷区で一番空いている日は?
A. 体感としていちばん静かだったのは、元旦の早朝です。
まだ街が完全に目覚める前の時間帯は、
参拝者も地元の人が中心で、行列になることはほとんどありません。
どうしても元旦が難しい場合でも、2日・3日の午前中であれば、
落ち着いて参拝できることが多いです。
Q. 自転車で参拝しても大丈夫?
A. 世田谷区の神社は、
自転車で来る地元の人を想定しているところが多く、
基本的には問題ありません。
ただし、境内に乗り入れず、
指定された場所に停めるなど、
その場の空気に合わせることが大切です。
Q. 正月でも御朱印はもらえますか?
A. 神社によって対応は異なりますが、
三が日は御朱印を受け付けている場合が多い印象です。
ただし、時間帯や書き置き対応になることもあるため、
「今日はもらえたらラッキー」くらいの気持ちで訪れると、
心に余裕を持って参拝できます。
文京区で並ばない初詣|知的で静かな街に残る、正月の余白
三が日の2日、朝9時前に境内へ。
遠くで鳥の声が聞こえる以外、境内は驚くほど静かだった。
参拝していたのは、近所の人が数人いるだけだった。
観光地のような高揚感はない。
でも、その分だけ、空気が澄んでいる。
坂の多い街を、ゆっくりと歩く。
大学や古書店が点在するこの街には、
正月でも「騒がなさ」が残っている。
境内に入った瞬間、
自然と声が小さくなった。
並ばない初詣は、
心を静かにするところから始まる。
文京区で「静かな初詣」が叶う理由
文京区は、東京23区の中でも特異な存在だ。
大規模な商業施設が少なく、
住民の生活リズムが一定している。
神社もまた、観光地ではなく、
地域に根づいた場所として存在している。
だから三が日でも、
人が一気に押し寄せない。
三が日でも落ち着いて参拝できた、文京区の穴場神社
駅前なのに、なぜか静かな白山神社へ。
最寄り駅を出てすぐ。
立地だけ見れば、混雑していても不思議じゃない。
それでも境内に入ると、
人の流れは自然にほどけていた。
参拝動線が短く、回転が早い。
そのおかげで、行列はできにくい。
三が日の午前中でも、
数分待てばすぐに手を合わせられた。
住宅街に溶け込む、完全地元型
この神社を目指して来る人は、ほとんどいない。
たまたま近所に住んでいる人だけが訪れる。
屋台もなく、派手な装飾もない。
あるのは、いつも通りの境内。
正月でも、
「日常の延長」のような空気が流れていた。
文京区初詣|狙い目の時間帯
- 元旦:朝8時まで
- 2日・3日:午前中
- 夕方以降:地元率が下がり、さらに静か
文京区は、
時間をずらすだけで、驚くほど落ち着く。
文京区の正月は、静かに考えごとができる
正月の東京で、静かに初詣をする。
それだけで、少し贅沢なことのように聞こえるかもしれない。
特に文京区という街は、
賑わいを売りにする場所ではない。
大学があり、古い住宅街があり、
日常の延長として、文化と暮らしが積み重なってきた場所だ。並ばない初詣は、
願い事を整理する時間をくれる。
文京区の神社は、
考えながら、一年を始めたい人に向いている。
杉並区で並ばない初詣|住宅街に溶け込む、東京の静かな正月
杉並区の正月は、音が少ない。
クラクションも、人のざわめきもなく、
聞こえてくるのは、靴底が舗道に触れる音くらいだ。
駅から少し歩くだけで、
景色はゆっくりと日常に戻っていく。
低い家並みと、いつもの住宅街。
正月特有の高揚感は、ここでは控えめだ。
初詣なのに、
特別な準備はいらなかった。
気持ちを整えて、歩いて来ただけ。
それだけで、十分だった。
杉並区が「並ばない初詣」に向いているの
街の成り立ちそのものに理由がある。
この区には、
人を大量に引き寄せるような巨大な観光神社がない。
その代わり、
住宅街の中に、
地域の人たちに長く守られてきた神社が点在している。
正月になれば、もちろん人は訪れる。
でも、その人の流れは穏やかで、
一方向に押し寄せることがない。
参拝者は、
それぞれの生活リズムの延長で現れ、
それぞれのタイミングで帰っていく。
だから杉並区の初詣には、
行列ができにくく、
ざわめきも生まれにくい。
それが、この街の正月を、
いつも静かなままにしている理由だ。
三が日でも落ち着いて参拝できた、杉並区の神社
三が日の三日、朝七時半頃。
鳥居をくぐった瞬間、空気が一段、静まった。
境内に響いていたのは、
誰かの拍手が一度、短く返ってくる音だけ。
クラクションも、呼び声もない。
参拝者は、それなりにいる。
それでも、人の流れは生まれていなかった。
立ち止まる場所も、急かされる気配もなく、
並ぶ必要は、どこにもなかった。
ここは、杉並区で最も知られた神社のひとつだ。
それでも混雑を感じさせないのは、
境内の広さが、人の気配を静かに受け止めてくれるからだ。
人は多い。
けれど、行列にはならない。
それぞれが、それぞれの間隔で立ち、
それぞれのタイミングで手を合わせている。
元旦の朝も、同じだった。
自分のペースを崩すことなく、
静かに、一年の始まりと向き合うことができた。
生活の延長線にある初詣
商店街の先にある、小さな神社。
観光客はほとんど見かけない。
参拝者は、近所の人ばかり。
会釈を交わしながら、順番を譲り合う。
これ以上ないほど、
穏やかな初詣だった。
杉並区初詣のベストタイミング
- 元旦:朝7時〜9時
- 2日・3日:昼前まで
- 夕方以降:ほぼ混雑なし
杉並区は、
「少し早く動く」だけで正解になる。
杉並区の初詣は、暮らしの中にある
初詣は、
遠くへ行かなくてもいい。
杉並区の神社は、
暮らしのすぐそばに、
そっと正月を置いてくれる。
通い慣れた道の延長で、
靴ひもを結び直すように、
一年の始まりと向き合える。
並ばない初詣は、
何かを足すための時間ではなく、
心の中を静かに整えるための時間だ。
慌ただしい一年を始めたくない人にとって、
杉並区の初詣は、
いつも変わらず、味方でいてくれる。
初詣は遠くへ行かなくても、いい正月を迎えられる
初詣は、有名な場所に行かなくてもいい。
歩いて行ける距離に、
こんなにも静かな正月が残っている。
世田谷区で迎えた初詣は、
一年の始まりを、少しだけ丁寧にしてくれた。
来年もきっと、
また歩いて、ここへ来る。
都心とは思えない、深呼吸できる境内
元旦の朝、まだ街が完全に目覚める前。
境内には数人の参拝者がいるだけだった。
拍手の音が、広がらず、すっと自分に返ってくる。
その感覚が、妙に心地よかった。
「並ばないだけで、祈りの深さはこんなにも変わるんだ」
地元に愛される神社の、正月の顔
住宅街の中に溶け込むように佇む神社。
派手さはない。でも、だからこそ落ち着く。
三が日の昼前でも、待ち時間はゼロ。
子どもの手を引いた家族が、静かに頭を下げていた。
広さが生む「分散」という贅沢
境内が広い神社は、人がいても混雑を感じにくい。
鳥居をくぐるたびに、気持ちが一段ずつ切り替わっていく。
正月なのに、焦る必要がない。
それだけで、こんなにも心が軽くなる。
並ばない初詣を叶える、時間帯の選び方
正直に言うと、
並ばない初詣ができるかどうかは、
神社選びより、時間帯で決まる。
これは机上の話じゃない。
三が日の東京を、実際に歩き回って、
何度も「今だ」「あ、外したな」を繰り返して、
体で覚えた感覚だ。
同じ神社でも、
時間が違うだけで、
別の場所みたいに空気が変わる。
- 元旦:朝7時〜9時
└ 街が完全に目覚める前。
参拝者はいるのに、流れが生まれない“奇跡の時間帯”。
僕がいちばん好きなのも、この時間だ。 - 2日・3日:午前中が狙い目
└ 「もう出遅れたかな?」と思う頃が、実はちょうどいい。
地元の人が、自分のタイミングで来て、帰っていく。
行列になりにくい、いちばん安定した時間帯。 - 雨や曇りの日は、さらに静か
└ 正月の雨は、正直チャンス。
足音も、人の数も、一気に減る。
「今日は行ってよかった」と、あとから必ず思う。
「三が日は無理」
そう決めつけてしまう人が多いけれど、
それは、時間帯を知らないだけだと思っている。
僕自身、
何度も時間をずらして歩くうちに、
「東京でも、ちゃんと静かな正月は作れる」
そう確信するようになった。
ほんの一時間、早く動くだけ。
あるいは、空模様を味方につけるだけ。
選び方次第で、
東京の正月は、
驚くほど、やさしい顔を見せてくれる。
静かな初詣に向いている人とは
正直に言うと、
静かな初詣は、誰にでも向いているわけじゃない。
でも、もし今のあなたが、
「正月くらいは、落ち着いて始めたいな」と思っているなら、
きっと、このスタイルはしっくりくる。

- 一人で一年を始めたい人
└ 僕自身、誰とも話さずに境内を歩く時間が、
いちばん頭と心が整う瞬間だった。
一人で手を合わせると、不思議と願いが具体的になる。 - 子どもと落ち着いて参拝したい人
└ 並ばないだけで、子どもの表情がまるで違う。
急かさず、叱らずに済む初詣は、
それだけで「いい始まり」になる。 - 去年を振り返り、気持ちを切り替えたい人
└ にぎやかな場所だと、どうしても外に意識が向いてしまう。
静かな境内では、自然と内側に目が向く。
僕はここで、ようやく一年を区切れた。 - 人混みで疲れたくない人
└ 正月からどっと疲れてしまうのは、正直もったいない。
静かな初詣は、エネルギーを使うどころか、
むしろ少し回復して帰ってこられる。
初詣は、イベントじゃなくていい。
何かを達成しなくてもいい。
ただ、気持ちよく一年を始められたかどうか。
それだけで、もう十分だ。
心が整えば、それでいい。
静かな初詣は、そう教えてくれる。
まとめ|東京にも、静かに願える正月が残っている
人混みを避けた先にあったのは、
何かを強く「お願いする」時間ではなかった。
それよりも、自分の一年と、静かに向き合うための余白だった。
列に並び、背中を押され、
流れ作業のように手を合わせる初詣も、
決して間違いではない。
ただ、ふと立ち止まってみると、
「本当は、もう少しゆっくり始めたかったな」
そんな気持ちが、胸の奥に残っていることがある。
静かな神社では、
願い事を言葉にする前に、
自分の呼吸が整っていることに気づく。
それはまるで、
慌ただしい街の中で、
一枚だけ残された“白いページ”を見つけるような感覚だ。
有名じゃない。
ガイドブックの表紙を飾ることもない。
でも、そういう場所ほど、
記憶の中では、なぜか長く残る。
帰り道、特別な出来事があったわけでもないのに、
足取りが少し軽くなっている。
「ああ、いい始まりだったな」と、
時間が経ってから、ふと思い返す。
トラベルライターとして各地を歩いてきた中で、
僕は何度も同じ感覚に出会ってきた。
印象に残る旅や場所は、
決して派手さだけで決まるものではない。
初詣も、それとよく似ている。
並ばない初詣は、
一年の始まりを、少しだけ丁寧にしてくれる。
未来に何かを足すというより、
いまの自分を、静かに確かめ直す時間をくれる。
次の正月、
もし人の多さにため息が出そうになったら、
思い出してほしい。
東京にも、
喧騒から一歩だけ離れたところに、
静かに願える正月は、まだ残っている。
その場所は、
きっと、あなたの暮らしのすぐそばにある。
2026年のひと言
2026年の正月も、
変わらず東京の神社を歩いた。
人の流れや時間帯に多少の違いはあっても、
静かに手を合わせられる場所は、今年も確かに残っていた。
初詣は、流行や話題よりも、
その街が積み重ねてきた日常に近いほど、
落ち着いた時間になる。
人混みを一歩外れた場所から、
一年を始めたいと思っている。
※混雑状況は年によって変動します。
参拝前には各神社の公式情報をご確認ください。


