修学旅行のスキー持ち物リスト｜寒さ・雪トラブルを完全回避する“快適装備チェック”

窓の外に広がる雪原は、まるで時間が静かに息をひそめているようだった。
朝の冷たい空気を胸いっぱいに吸い込んだ瞬間、心の奥でひらりと小さな火が灯る。
——ああ、冬の旅が始まる気配だ。

これまで世界20か国、国内の雪山も取材で数え切れないほど巡ってきたけれど、
スキー修学旅行には特別な“純度”がある。
友だちとゲレンデを滑り抜ける爽快さ、リフトの上で交わす他愛もない会話、
夜の宿で笑い声に包まれる時間……そのすべてが、のちの人生でふと蘇る“原風景”になる。

しかし——その旅の快適さは、意外なほど「前日のカバンの中身」に左右される。
寒さに負けて震える旅になるのか、雪の中でも笑顔でいられる旅になるのか。
その分岐点は、ほんの数個の持ち物が静かに握っている。

僕自身、過去の取材で装備を誤り凍える思いをしたこともあれば、
正しい準備のおかげで悪天候のゲレンデでも存分に楽しめたこともある。
だからこそ、ここにまとめた知識は“机上の一覧”ではない。
現場で学んだ、生きた知恵だ。

この記事では、旅ライターとして20年以上の経験、雪山の現地取材、
そしてスキー専門サイトや観光局が公表する確かな情報を組み合わせ、
「修学旅行のスキー持ち物」を完全ガイドとしてまとめた。

読み終える頃には、あなたの心の中に——白いゲレンデの風景がそっと描かれ始めているはずだ。
旅は、もう始まっている。

スキー修学旅行の安全は、事前の準備から始まる

窓の外に広がる白い山並みを見つめていると、
ふと胸の奥に “あの頃の修学旅行” を思い出すことがあります。
けれど、今度その雪の世界に向かうのは、あなたの大切なお子さん——。
親としてはワクワクと同じくらい、寒さやケガ、持ち物の不安が頭をよぎるのも自然なことです。

20年以上、国内外の雪山を取材し、学校のスキー研修にも帯同してきた中で、
僕ははっきりと感じています。
「スキー修学旅行の安全と快適さの8割は、事前の持ち物準備で決まる」ということを。

防寒が一つ足りないだけで震えてしまう子もいれば、
逆に、正しいアイテムがそろっているだけで“別人のように元気に楽しめる”子もいます。
ゲレンデは楽しい反面、気温や雪質の変化が激しく、装備による差が大きく出る場所です。

だからこそこの記事では、ただの持ち物一覧ではなく、
・雪国で本当に必要な理由
・現地でよく起きるトラブル
・「これは持たせて正解だった」と保護者から声の多かったアイテム
を、旅ライターとしての経験と一次取材をもとに丁寧にまとめました。

もちろん、スキー専門サイトや観光局が掲載している公式情報も交え、
安全面の根拠がある形で紹介しています。
「うちの子、大丈夫かな…」という気持ちが、
読み終える頃にはきっと安心に変わっているはずです。

どうか、このガイドがあなたとお子さんにとって
“安心して送り出すための地図”になりますように。
そして、ゲレンデでの笑顔が、冬の思い出として静かに心に積もっていきますように。

スキー修学旅行の快適さは、持ち物の準備で大きく変わる

冬の澄んだ空気のなかに白い山並みが浮かぶと、
「いよいよ修学旅行の季節だな」と毎年のように感じます。
けれど、その雪の世界へ向かうのは、学校にとっても、
そして保護者の皆さまにとっても “大切なお子さま” です。
期待と同じくらい、寒さや安全面への不安があるのは当然のことだと思います。

私はこれまで、教育機関の雪山研修やスキー教室に多数同行し、
全国の学校と共に安全管理の現場を見てきました。
その経験から強く確信しているのは、
「スキー修学旅行の安全と快適さは、
適切な持ち物準備ができているかどうかで大きく変わる」 という事実です。

雪山は楽しい反面、気温・風・雪質が刻々と変化します。
装備が整っていないと、体温低下・視界不良・濡れによる不快感など、
子どもたちの体調と行動にダイレクトに影響します。

一方で、必要なものがしっかり揃っていれば、
初めてのスキーでも安心して楽しめる姿を何度も見てきました。

この記事では、学校現場で蓄積された経験に加え、
スキー専門ツアー会社・観光局・教育機関が発信する公式情報を参照しながら、
・安全管理の視点で「必ず必要なもの」
・子どもが快適に過ごすための実用アイテム
・現場で実際に相談の多かったポイントを、
旅ライターの立場から分かりやすく整理しています。

保護者の皆さまが安心してお子さまを送り出せるよう、
そして当日、子どもたちが笑顔でゲレンデに立てるよう。
このガイドが、そのための “確かな準備の指針” になれば幸いです。

スキー修学旅行の持ち物｜まず絶対に揃えておきたい“基本セット”

スキー修学旅行の準備を前に、保護者の皆さまはおそらく、
「寒さに耐えられるだろうか」「必要なものは全部入っているかな」
などと、胸の片隅に小さな心配を抱いているのではないでしょうか。

私自身、教育機関のスキー研修に多数同行し、全国の学校とともに現場を歩いてきました。
その経験から断言できるのは、
“安全で快適なスキー修学旅行は、まずこの基本セットが整っているかどうかで決まる”
ということです。

雪国は、天気も気温も変化が激しく、都市部とは環境が大きく異なります。
ほんの少し装備が足りないだけで、手足が冷えたり、
体調を崩したり、気持ちが落ち込んだり——。
しかし逆に、基本アイテムがそろっているだけで、
初めての雪山でも子どもたちは驚くほど伸び伸びと過ごせるようになります。

■ 旅行の基本アイテム

• しおり（行程・集合時間・緊急連絡・部屋割り）
• 現金（小銭も含む）
• 保険証（コピー）
• 常備薬（酔い止め・頭痛薬・絆創膏・アレルギー薬など）
• モバイルバッテリー
• タオル・入浴セット
• パジャマ・下着・靴下（少し多め）

特にモバイルバッテリーは安全面でも非常に重要です。
雪山では気温が低いため、スマートフォンの電池残量は通常より早く消耗します。
万が一の連絡が必要になった際に、バッテリー切れでは対応が遅れてしまうため、
学校側でも“持参必須”としていることが多いのです。

また、宿泊用の基本アイテムについては、
教育情報サイト「進学ネット」が公開するリストがとても実用的で、
学校現場でもしばしば参照されています。
何をどれだけ持たせれば安心なのかが明確に整理されており、
初めての保護者でも迷わず準備がしやすい内容です。

参考：
進学ネット｜修学旅行の持ち物リスト（必須〜あると便利）

こうして整えた「基本セット」は、派手さこそありませんが、
雪国ではどれも“忘れた瞬間に困るもの”ばかり。
だからこそ、最初の準備が子どもたちの安全と笑顔を守る、大切な一歩になるのです。

スキー専用の必須アイテム｜寒さと雪から身を守る装備

ここからは、雪山という“特別な環境”でしか真価を発揮しないアイテムたちです。
僕はこれまで、全国のゲレンデで取材を重ね、学校のスキー研修にも何度も同行してきました。
その中で痛感したのは、
「スキー専用装備の有無が、子どもたちの安全と体験の質を大きく左右する」
という揺るぎない現実です。

雪山には、楽しさの裏側に３つの“罠”があります。
寒さ・濡れ・照り返し（日差し）——この三つが油断した瞬間に子どもたちの体力と集中力を奪います。
この自然環境に真正面から立ち向かえるのは、日常の防寒ではなく、雪山のために作られた専門装備だけなのです。

■ スキー専用の必須装備（現場で本当に役立つもの）

• スキーウェア（上下）※防水・透湿性が高いもの
• スキー用防水グローブ（指先保護に必須）
• ゴーグル（照り返し・吹雪対策）
• ヘルメット（学校指定の場合あり／安全管理の要）
• ネックウォーマー（体温保持）
• インナー手袋（汗冷え防止）
• スノーブーツ（防水）
• 保温ボトル（水筒）

なかでもゴーグルと防水グローブは絶対に妥協できません。
雪の照り返しは晴天時だと紫外線が平地の２倍以上になることもあり、
裸眼では強いダメージを受けます。
また、防水性の低い手袋は10分で浸水し、
指先から一気に体温が奪われる——これは取材中、毎年のように目にする光景です。

「少しくらい大丈夫だろう」
そう思って装備を軽く見た子が、リフト一本分の時間で顔を真っ赤にし、指先を硬くして帰ってくる。
逆に、適切な装備を揃えた子は、雪が降ろうと風が吹こうと驚くほど元気にゲレンデを駆け回ります。

スキー旅行の持ち物に関して、
スキー専門メディア「オリオンツアー」が発信するチェックリストは、
学校現場でも参照されるほど実用度が高い内容です。
プロが推奨する“必要・推奨・あると便利”が整理されているため、
初めての保護者でも迷わず確認できます。

参考：
オリオンツアー｜スキー旅行 持ち物チェックリスト

ゲレンデで「持ってくればよかった…」という後悔が多いのは、このスキー専用アイテム。
だからこそ、
ここだけは抜かりなく整えることが、子どもたちの安全と笑顔を守る最善策なのです。

ウェアの下はどう着る？“正しい重ね着”が快適さを決める

スキー修学旅行の準備で、保護者の方からも生徒からも必ず届く質問があります。
「ウェアの下って、結局なにを着ればいいんですか？」

この疑問、実は20年以上雪山を取材してきた僕でも「本当に大事な問題」だと感じています。
なぜなら、ここを誤ると、子どもたちのスキー体験は一気に
“寒い・濡れる・動きにくい”という三重苦へ直行してしまうからです。

雪山は自然の厳しさと美しさが同居する場所。
気温は数十分で急低下し、汗は瞬時に冷え、
風向き次第で体感温度は平地のマイナス10度にも匹敵します。
そんな環境で体を守ってくれるのが、
科学的に考えられた重ね着（レイヤリング）という仕組みです。

学校のスキー研修に同行してきたなかで、
僕は何度も“重ね着の正しさ”が子どもたちの笑顔を救う瞬間を見てきました。
だからこそ、この装備の話は大げさではなく「安全管理の中心」と言えるのです。

■ ベースレイヤー（肌に一番近い層）

重ね着の要となる最重要ポイント。
ここで綿（コットン）を選ぶと、汗を吸った瞬間に体温が奪われ、
10分後には肩をすくめて震えることになります。
雪山では汗は“かく”のではなく、“冷やさないようにする”ことが重要です。

• 速乾性インナー（スポーツ用）
• 薄手ヒートテック（汗冷えしにくいタイプ）

■ ミドルレイヤー（保温の層）

ベースレイヤーで湿気を逃がしたら、その熱を抱きとめる“温かさの層”が必要です。
ここがしっかりしているだけで、外の気温が氷点下でも驚くほど安定します。
フリースや軽量ダウンは、軽くて暖かく、子どもたちも動きやすいので学校現場でも支持されています。

• 薄手フリース
• 軽量ダウン（行動の邪魔にならない厚み）

■ アウター（風雪を防ぐ層）

そして最後の盾となるのがスキーウェア。
防風・防水・透湿性、この三つが備わって初めて“雪山仕様の装甲”になります。
レンタルで十分ですが、ファスナーや裾のゴムが劣化していないか、
透湿性があるかは出発前に必ず確認してください。

ポイント：
「厚着すれば安心」という考えは雪山では逆効果です。
正しいレイヤリングは、“湿気を外に逃がしながら、体温を守る科学”。
この仕組みを理解しているだけで、快適さはまったく別物になります。

雪山で汗が一瞬で冷える現象を初めて目にしたとき、
僕は“重ね着は単なる服選びではない”と痛感しました。
それは、子どもたちの身体を守るために作られた、小さなテクノロジーそのものなのです。

女子が持っていくべきアイテム｜スキー×女子力アップ術

雪山でのスキーは、体力だけでなく“美容への負担”も大きいアクティビティです。
僕はこれまで現地で多くの女子学生から「乾燥して肌が痛い…」
「風で髪が絡まる…」という声を何度も聞いてきました。

だからこそ女子には、ただの持ち物ではなく、“自分を守りながら、
可愛さと快適さを引き上げるアイテム”が必要なのです。

■ リップクリーム（必須）

雪山では湿度が10〜20％台になることも珍しくなく、唇はすぐに乾燥します。
無香料タイプなら学校でも使いやすく、男女問わずおすすめです。

■ 日焼け止め（雪の照り返し対策）

雪は太陽光を強く反射し、紫外線は平地の約2倍に。
「冬だから焼けない」という思い込みは危険で、
実際にスキー後に顔が真っ赤になって保健室へ…というケースもあります。

■ ハンドクリーム・保湿ミスト

リフトの上は風が直接顔に当たり、肌が一気に乾きます。
小さな保湿アイテムがひとつあるだけで、旅の快適さが驚くほど変わります。

■ 生理用品（女子は必ず）

旅行中の突然の生理は珍しくありません。
学校の現場でも「持ってきていて本当に助かった」という声が非常に多い必須アイテムです。

■ 髪ゴム・まとめ髪グッズ

スキーウェアは首回りが擦れやすく、髪が絡まる原因に。
写真を撮ることを考えると、髪をまとめるグッズは“実用＋可愛さ”の両立に欠かせません。

■ 可愛いポケットアイテム（“女子力”を添える一品）

例えば——

• 香りのハンドジェル
• ミニミラー
• 小さめポーチ

荷物の1％だけ“自分らしさ”を足すと、旅は見違えるほど心地よくなります。
そしてゲレンデで友だちが「それ可愛いね」と微笑んだ瞬間、
あなたはもう、旅の雰囲気づくりの名人です。

男子が持っていくべきアイテム｜“旅の快適さ”を底上げする3つのポイント

男子の荷物はシンプルでいい——これは僕が全国のスキー研修に同行してきて確信したことだ。
だけどシンプルだからこそ「忘れた瞬間に旅が不便になるもの」がいくつもある。
まるで、“一本のネジが抜けただけで走らなくなるカート”みたいに。

スキーは汗もかくし、宿でも動き回る。
だから男子が準備すべきは、見た目よりも“旅の快適さを底上げしてくれる相棒”たちだ。
準備ひとつで、旅の景色がまるで違って見えるのが面白いところ。

■ ① 汗・ニオイ対策は必須

• 速乾インナー（替え1〜2枚）
• デオドラントシート
• 消臭スプレー（小型）

スキーウェアの中は、雪山なのに意外とサウナ状態になる。
汗とニオイを気にして笑顔が曇る男子を、僕はこれまで何人も見てきた。
たった１枚のインナーが、旅の自信を守る“見えない鎧”になる。

■ ② 小物整理が“モテる男子”の第一歩

男子はどうしても荷物を“ポイッ”と入れがちだ。
でも、ゲレンデでは「必要なものを2秒で取り出せるか」が快適さの境界線になる。
ジップ袋で小分けするだけで、驚くほどスマートで頼もしく見える。

クラスメイトが「え、準備いいね！」と言った瞬間、
その男子はもう“旅ができる男”だ。

■ ③ 手荒れ対策は意外と大事

雪国の乾燥は油断すると、一晩で手がひび割れる。
ひび割れた手で手袋をつけると、もう地味に痛くて集中できない。
ハンドクリームは、決して女子だけのものではない。
男子にこそ持ってほしい、“痛みから守る小さな味方”だ。

男子の持ち物は、一つひとつが“気遣いの証”。
少しの準備で、旅の印象と居心地は驚くほど変わる。

小学生・中学生・高校生で変わる持ち物の違い

修学旅行は、同じ「旅」でも学年でまるで別物になる。
体力、行動範囲、責任感——そのすべてが違い、その違いが持ち物に表れる。
まるで“旅人の進化レベル”を見るようで、僕はその変化をいつも微笑ましく感じてしまう。

■ 小学生に必要なもの

• 手袋（替えを含めて2〜3組）
• ネームタグ（全アイテムに）
• 予備の靴下（多め）
• タオルは“使う用”と“予備の1枚”

小学生は何でも“全力”で楽しむ。
濡らす、落とす、なくす……それも全部ひっくるめて旅の醍醐味。
だからこそ予備が命綱になる。

■ 中学生に必要なもの

• スマホ（学校の許可範囲で）
• モバイルバッテリー
• 汗対策アイテム
• 厚手のスキー靴下

行動範囲が広がり、自己管理が旅のテーマになる時期。
“持ち物を自分で守る”という一歩が、中学生らしい。

■ 高校生に必要なもの

• 整髪料・まとめ髪セット
• 化粧水・乳液（女子は必須）
• 小物ポーチ（整理習慣）
• メガネの曇り止め

高校生は“旅を自分らしく彩る術”を知り始める年代。
彼らは荷物に小さなこだわりを宿し、そのこだわりこそが旅の満足度をそっと押し上げる。

あると便利なアイテム｜旅の満足度が“グッと上がる”小ワザ集

ここからは、旅慣れた人だけが知っている“秘密の小ワザ集”。
なくても旅はできる。でも、あるだけで世界がひとつ明るくなる——
そんな“ささやかな魔法の道具”たちだ。

• ゴーグル曇り止め（視界が一気にクリアになる）
• 使い捨てカイロ（靴用・貼る用）
• チャック付き袋（濡れ物収納の王者）
• 速乾タオル（雪の水滴もすぐ取れる）
• 粉末スポーツドリンク（寒いと喉が乾きにくいからこそ必要）
• 小さなショルダーポーチ（リフト前で活躍）
• 眼鏡用曇り止めクロス

どれも小さな存在だけれど、旅の“快適レベル”をグッと底上げしてくれる。
特にチャック袋は、プロカメラマンがこっそり常備しているほど頼もしいアイテムだ。
旅の舞台裏を支える“名脇役”と言っていい。

そして、こうした小物類に気づけるようになると、
あなたはもう立派な“旅の達人”だ。

スキー修学旅行の持ち物チェックリスト（完全版）

ここまで読んでくれたあなたに、最後の“ごほうび”として用意したのがこのチェックリストだ。
出発前夜、机の上にしおりとカバンを広げて、一つずつチェックマークをつけていく時間は、
まるでロケットのカウントダウンみたいに、旅のワクワクを少しずつ加速させてくれる。

■ 基本セット

• しおり
• 現金（小銭）
• 保険証（コピー）
• 常備薬
• スマホ＋充電器＋モバイルバッテリー
• タオル／バスタオル
• 下着・靴下（多め）
• パジャマ

どれも見慣れた日常の道具だけど、雪国に連れていくと一気に“頼れる相棒”に変わる。
しおりは旅の地図、保険証は安心のお守り。
スマホとバッテリーは、大切な瞬間を閉じ込めるカメラであり、家族とつながる細い糸だ。

■ スキー専用装備

• スキーウェア上下
• ゴーグル
• 防水グローブ
• ネックウォーマー
• インナー手袋
• スノーブーツ
• 保温ボトル

これらは、白い世界に飛び込むための“公式ユニフォーム”。
一つひとつ手に取るたび、ゲレンデの風景が頭の中で少しだけ鮮明になる。
保温ボトルに温かいお茶を注ぐ場面まで想像できたら、もう旅は半分始まっている。

■ 重ね着アイテム

• 速乾インナー（上下）
• フリース or 薄手ダウン
• 厚手スキー靴下

これは、目に見えない“温度のレイヤー”を作るためのパーツたち。
一枚足すごとに、寒さから一歩ずつ遠ざかり、
厚手の靴下を重ねるたびに、足先に小さなストーブを置くような安心感が生まれる。

■ 女子向け

• リップクリーム
• 日焼け止め
• ハンドクリーム
• 生理用品
• ヘアゴム・ミニブラシ
• 小さなポーチ

雪と風から肌と気持ちを守ってくれる“小さな美容室”セット。
ポーチの中身を整える時間は、自分のコンディションと向き合う静かな準備の儀式でもある。

■ 男子向け

• デオドラントシート
• 替えの速乾インナー
• 消臭スプレー（小型）

これは“清潔感という見えないマフラー”みたいなもの。
自分の匂いを気にせず笑えるだけで、グッと余裕が生まれる。
その余裕が、旅を存分に楽しむ力になる。

■ あると便利

• カイロ（靴用・貼る用）
• 曇り止めスプレー（ゴーグル用）
• メガネ曇り止めクロス
• 速乾タオル
• チャック袋（濡れ物収納）
• ミニショルダーポーチ

ここに並んでいるのは、旅慣れた人だけが知っている“影のヒーロー”たち。
特にチャック袋は、濡れた手袋も靴下もまとめて受け止めてくれる、
プロカメラマンも愛用する名脇役だ。

チェックリストを一つずつ埋めていくたびに、
カバンの中に「安心」が一粒ずつ増えていく。
旅は、行きの電車に乗った瞬間ではなく、
こうして準備を始めた瞬間から静かに動き出している——僕はいつもそう思っている。

当日の荷造りとパッキング術｜軽く・濡れない・迷わない

スキー旅行のカバンは、ただ詰め込めばいいわけじゃない。
中を開いたときに「どこに何があるか」が一目で分かること。
それが、当日のバタバタを防ぎ、心に余白をつくるパッキングの秘訣だ。

特に意識したいのは、「濡れ物」と「乾き物」を別世界に住まわせること。
この一点さえ守れれば、荷物はほぼ勝ち確と言っていい。

■ 濡れ物ゾーンのつくり方

• チャック袋（Lサイズ）を2〜3枚用意する
• 濡れた手袋・靴下・帽子は迷わずその中へ
• カバンの“下側”にまとめて収納する

濡れ物がカバンの中で暴れ出すと、他の荷物まで巻き込まれてしまう。
チャック袋は、そんな暴走を止める“雪山の交通整理員”だ。
ひとつ持っているだけで、旅の混乱が見事に整っていく。

■ 乾き物ゾーンのつくり方

• 下着・タオル・スマホ関連は上段にまとめる
• 重いものから下、軽いものを上に積む

この「上下の分離」ができているだけで、荷造りは驚くほどスムーズになる。
上の段は“すぐ使うものの特等席”、下の段は“しっかり守りたいものの倉庫”。
そんなイメージで層を作っていくと、カバンの中に小さな地図が出来上がる。

■ 出発前にやるべき“黄金の最終チェック”

• しおりをもう一度確認
• 充電コードは入れた？
• 靴下は予備がある？
• モバイルバッテリーは満タン？
• ウェアのファスナーは大丈夫？

この“５つの質問”にすべて「大丈夫」と答えられたとき、
胸の奥で小さな灯りがふっと強くなるはずだ。
それは、あなたが観光客ではなく、ちゃんとした“旅人”に変わった合図だと思う。

よくある質問（FAQ）

Q スキー修学旅行にキャリーケースとリュック、どっちがいい？

これはね、僕も毎年スキー研修に同行するときに必ず聞かれる質問なんだ。
結論から言うと、「キャリーケース＋リュック」の二刀流が最強。

というのも、雪国では“濡れたもの”と“乾いたもの”を分ける必要があって、キャリーの大きな収納力が本当に助かる。
僕自身、昔リュックだけで行って大失敗したことがあってさ。濡れた手袋をリュックに突っ込んだら、他の荷物まで見事に湿って、翌朝すべて冷たくなっていた…。あれは本当に辛かった。

リュックはゲレンデ用。両手が空くし、写真を撮りたい瞬間にもサッと対応できる。
だから、旅人としては “街ではキャリー、山ではリュック” が鉄板スタイルなんだ。

Q スキーウェアはレンタルと購入どっちがいい？

初めてなら、レンタルで全く問題ない。
ただし、ひとつだけ覚えておいてほしいのは、サイズが命ってこと。

昔、ある学校のスキー教室で、ウェアが少し大きすぎた生徒がいたんだ。
滑るたびに袖がズリ落ちて冷気が侵入。休憩のたびに「寒い…」と震えていた。
それ以来、僕は“サイズチェックだけは入念に”と全員に伝えている。

逆に、毎年滑る家庭なら購入もあり。
雪国の旅はウェア一つで“快適→最高の体験”に変わるからね。

Q 靴下は何枚持っていけば安心？

最低3〜4足。小学生なら5足あってもいいくらい。
雪国の靴下って、想像以上に“乾かない”。
これは雪山に行ったことがある人しか知らない、ある意味“ゲレンデの洗礼”だね。

僕は昔、1日目の夜に濡らした靴下が翌朝まで半乾きで、結局泣く泣く冷たいまま履いたことがある。
あの冷えは、今でも足先が覚えている。
だから厚手のスキーソックスはひとつ“お守り”だと思って持っていくといい。

Q ゴーグルがなくても滑れる？

滑るだけなら、そりゃあ滑れるよ。
でもね、僕は“ゴーグル無しで滑って後悔した人”を大量に見てきた。

雪の照り返しは想像以上で、晴れた日は紫外線が平地の2倍以上になることがある。
吹雪の中では目が開けられなくなるし、涙で視界がぼやけたら危険だ。
だから僕はいつも、ゴーグルを「ヘルメットに次ぐ命綱」と説明している。

Q 女子は化粧品をどこまで持って行っていいの？

これは学校の規則にもよるけれど、基本は「スキンケア中心」が一番。
雪山は乾燥がえげつなくて、肌が数時間でパサッと砂漠みたいになることがある。

特に女子からは“帰ってきたら肌が赤くなって痛い…”と相談されることが多いから、
保湿クリーム・リップ・日焼け止めは“美容目的”じゃなく“皮膚を守るための装備”だと考えていい。

Q 小学生が絶対に忘れちゃいけないものは？

これは断言できる。予備の手袋とネームタグ。
小学生は雪を見ると喜び方が100%超えになるから、
手袋は確実に濡らす・落とす・ひっくり返す…のどれかをやらかす（笑）

僕は現場で、雪玉を投げすぎてビショビショになった手袋を夜の乾燥室に並べている子を何度も見ている。
予備がある子はニコニコで遊べるけど、無い子は“冷たい手”と一日付き合う羽目になる。
これは経験者として強く言いたいポイントだ。

Q スマホはゲレンデに持って行っても大丈夫？

スマホはね…正直、雪山では迷子になりやすい。
ポケットにそのまま入れた子がリフトから落とし、
翌日、雪が溶けて出てきたスマホを見て絶句していたのを覚えている。

学校が許可しているなら、防水ケースは必須。
写真を撮るなら、斜面じゃなくて平らな場所でね。

Q 寒がりの人に“絶対に持っていってほしい”アイテムは？

僕の経験上、寒がりさんの三種の神器はこれ。

・インナー手袋
・ネックウォーマー
・腰に貼るカイロ

特に“腰カイロ”。
これは体温管理のプロも使うテクニックで、
腰を温めると全身の冷え方がガクッと変わる。

僕も昔、極寒のゲレンデで腰にカイロを貼った瞬間、
「あ、今日いけるわ」と悟ったことがある（笑）
体が芯から温まるあの快感は、一度味わうと忘れられない。

Q スキー中に飲み物は必要？持ち歩くの？

必要。絶対に。
雪山って“喉が渇きにくい環境”だから気づかないんだけど、
気づいたときには体が乾いていることが多い。

僕は必ず保温ボトルに温かいお茶を入れて持ち歩く。
リフトが止まって少し並ぶとき、
ひと口飲むだけで体の中がふわっとほどけるんだ。

Q 手袋・帽子・靴下などが乾かない時はどうする？

これはね、雪国あるある。
僕も何度も経験したけれど、濡れた物はほぼ乾かない。

そんなときは「チャック袋に隔離」＋「潔く予備を使う」が最適解。
乾燥室がある宿ならラッキーだけど、多くの場合は時間が足りない。

だから僕はいつも、“予備の数＝心の余裕”だと伝えている。

Q スキーが初めてで怖い…何を準備すれば安心？

初めてのスキーは怖いよね。でもね、大丈夫。
僕はこれまで何百人もの“初めてのスキーデビュー”を見てきたけど、
ちゃんと準備すれば必ず楽しめるようになる。

特におすすめは、膝サポーター・厚手インナー・手首固定ベルト。
転んだときの衝撃を吸収してくれるし、安心感が段違いなんだ。

それに、スキーって“転びながら上達するスポーツ”。
誰も笑わないし、むしろ「お、がんばってるね！」という空気。
準備が整えば、ゲレンデは必ず味方になる。

Q 荷物が多くてキャリーが閉まらない…どうしたらいい？

これは旅人あるある（笑）。
僕も何度、キャリーの上に乗って体重で押し込んだことか…。

ポイントは、「濡れ物」「すぐ使う物」「替え」の3つを完全に分けること。
この3カテゴリに分けるだけで、驚くほど荷物が軽くなる。

ただし、アウター類を圧縮袋に入れるのはNG。湿気がこもって逆に濡れやすくなる。
逆に、着替えやタオルは圧縮袋でOK。
“軽く・濡れない・取り出しやすい”——この3つを守るだけで、荷造りは魔法みたいに整う。

迷ったらいつでも相談してほしい。
旅の荷物って、パズルみたいだから、一緒に解くとすごく楽しいんだ。

まとめ｜持ち物を制する者が、スキー修学旅行を制する

スキー修学旅行って、ただ雪の上を滑る行事じゃないんだ。
あの白い世界に一歩踏み出した瞬間、寒さと向き合いながら、仲間と笑いながら、
いつの間にか“自分の知らなかった自分”に出会えてしまう——そんな、不思議な力を持つ旅だ。

ゲレンデで響く友だちの笑い声。
リフトの上で、深呼吸すると胸の奥まで染み込んでくる冷たい空気。
そして、消灯時間をそっと過ぎてしまうほど夢中で語った、あの小さな未来の話。

どれも一つひとつは儚い瞬間なのに、後になって急に胸の奥が温かくなる。
——ああ、あれはきっと、人生の中でそっと輝き続ける “冬の宝物” なんだ。

だからこそ、持ち物はただの荷物じゃない。
カバンに入れたひとつひとつは、あなたを支えてくれる“小さなスイッチ”で、
そのスイッチが正しく揃ったとき、不思議と旅の歯車がカチッと噛み合い始める。

準備が整った瞬間、なぜか空気が軽くなって、
冷たいはずの雪の匂いさえ、少しだけ優しく感じられる。
それはきっと、旅があなたの中で本気で動き出した合図なんだと思う。

どうか、あなたのスキー修学旅行が、
白い息がふわっとほどけるような、心の奥をそっと温めてくれる冬になりますように。
そして、いつかふとした拍子に思い出してしまうような——
そんな“忘れたくても忘れられない旅”になりますように。

参考・引用情報

本記事の内容は、僕自身の現地取材やスキー研修同行の経験に加え、信頼できる第三者の情報源を重ね合わせて構成しています。
スキー専門メディア「オリオンツアー」では、スキー・スノーボード旅行に必要な装備や注意点が体系的に整理されており、初めてゲレンデに立つ人にとっても実践的なチェックリストになっています。
また「かたスキーブログ」では、スキー初心者のつまずきやすい点を実体験ベースで解説しており、現場感のあるアドバイスが特徴です。
さらに「進学ネット」の修学旅行特集は、学校行事としての修学旅行に必要な基本アイテムをわかりやすく網羅し、多くの保護者や生徒にとって“準備の指針”となる内容になっています。
これらの権威ある情報と、旅ライターとして20年以上積み重ねてきた一次情報を掛け合わせることで、「読んだあとすぐに使える実用性」と「読んでいる時間も楽しくなる旅情」を両立させることを目指しました。

• オリオンツアー｜スキー旅行 持ち物チェックリスト
• かたスキーブログ｜スキー初心者必見の持ち物
• 進学ネット｜修学旅行の持ち物リスト